ビンゴパーティ 2012/7/22

 赤い押しボタンをおすとミッキーが球状ドラムを回して番号を書いた球を一つ落とします。

 今回のおもちゃの故障は押しボタンを押しても、モーターの回る音はするのですがミッキーが動いてくれません。
調べてみると、容易に想像がつくように歯車が損傷していました。しかも8個使っているうちの3個の損傷です。

破損状況 修理結果

モータシャフトのピニオンギヤの破損です。これはもうお馴染みのトラブルですので、新味はありませんが真鍮リングで補強して機能回復です。

これは少々驚きの破損状況で、一体どんな力が加わったのか想像するのも難しいです。修理は破損したものを接着して、それを原型にモールド品を作りました。

この歯車の損傷状況は軽微で、ボスのみに亀裂が入っていました。とりあえず真鍮リングで補強するにとどめました。


歯車全景

このおもちゃの歯車構成の全体図です。1番ギヤから6番までがモジュール0.5で7番から10番までがモジュール0.75となっています。
以上の修理でおもちゃは復活しました。

後日談 2012/8/10

 修理品はさっそく返却したのですが、1週間後の次のおもちゃの病院に再び不具合品として持ち込まれました。 上記の修理の時は、実際に使用する番号球は付属してもらえなかったので、最終的な動作は見ずにお返ししました。
 ところが実際に100個近い球をいれてガラガラ回してみると、途中で球状ドラムが回転しなくなってしまうのだそうです。 しかも運良く回転しても球が2個出て来てしまうとの事でした。

           カムホイール

 試してみると、いつも途中でとまるわけではありませんが、確かに止まったり動いたり不安定な動きをします。
 訳が分らないまま、よくよく見なおしているとカムホイールのボスに亀裂が入っているのが見つかりました。 前回は見落としていた ものです。 このカムが回転を持続させたり(止めたり)、ベルを鳴らしたり、球出し用のストライクロッドを出し入れさせたりなどの 制御をしています。
 もともと球状ドラムは番号球を入れるために手で強制的に回せるようになっています。そのためカムホイールは回転同期を取るために手で余分に回された分空回りするように出来ています。ですからこの亀裂が原因で軸が空回りしたとしても何か不具合が起こるとは考えづらいのです。
  しかし亀裂が出来るということは大きな力が掛かかっている証拠で、これを対策する必要性はあります。因果関係が理解できないまま、 例によって真鍮リングで損傷箇所を補強してみました。結局これが正解らしく、回転の不安定さは無くなり確実な動きになりました。

 回転は正常そうになったのですが、玉が2個出てきてしまいます。これはカムホイールと球状ドラムの位置関係、いわゆる位相関係の問題にちがいありません。どのように回転位置を合せたらよいのか考えていたら、カムホイールの穴に気が付きました。取り付け台の方にも同様な穴があります。歯車全景の写真でも分りますが、一番右側の歯車にも同様に穴があり、下の台座にも穴が開いていて歯車の穴とピタッと合います。この歯車の軸に球状ドラムが取り付けられます。
 これらの穴には何かが取り付けられた形跡がありませんから、位置合せに使うのに違いありません。これらの穴にピンを挿して組み付けたところ、大正解で1回の操作で1個の球がでるようになりました。

教訓

 部品がいろいろある場合は、全てを装着して最終テストをしておかないと、思わぬ見落としが出ますよというのが教訓。