オルタネートタイプの
プッシュスイッチ分解調査
2013/4/28

 実のところ、オルタネートタイプのプッシュスイッチが故障したので修理しようとしたのですが、 まずカバーのはずし方が分からずに苦労しました。
 何とか分解したものの、結局電極の接触状態は改善できず、修理そのものは失敗しました。
 しかしスイッチの履歴動作は面白かったので、その調査結果を紹介します。

 まずカバーの止め方ですが、図を見てもらえば分かる通り、単にフックでパチンとはめ込んであるだけです。
 従って、カバーとベースの間に鋭利なものを差し込んでこじれば、簡単にカバーは外れます。
 スイッチ動作は、アクチュエータの動きによってスライド電極がメイン電極の上をスライドして行われます。 スイッチの動作信頼性は、この両者の電極の接触信頼性にかかっていますが、スライド電極はいかにも小さく、 またメイン電極には摺動による溝が刻まれ、今回は修復できませんでした。

 オルタネートタイプのプッシュスイッチは一度押すとONとなり、もう一度押すとOFFとなります。
 この履歴動作を実現する方法に工夫があって、左にその原理部分を抜き出しています。 これだけの部品で実現します。
 押しボタンが押されれる度に、履歴フックがガイドプレートの異なる位置に移動して、 同じプッシュ動作で異なる作用を発生させます。

 ガイドプレートと履歴フックの位置関係をもう少し詳しく図解します。
[1] 左図で1番はスイッチOFFのときの安定位置です。
[2} ボタンが押されると、2番の位置まで移動します。ボタンのストロークエンドです。
[3] ボタンから手を離すと3番位置に拘束されてスイッチはON位置を保持します。スプリングは押し下げ状態のままです。
[4] 再びボタンを押すと4番位置に移動します。手を離すとスプリングにより1番位置に戻り、 スイッチはOFFとなり待機状態に戻ります。

[注] 各ポジションの移動の際、逆方向へ移動することを防止する目的で、ガイドプレートの面 には勾配が付け られています。
 履歴フックはスプリングの力でガイドプレート面に押し付けられており、 勾配の低い方向へ動作が誘導される ようになっています。