修理統計

1.おもちゃ修理台数の推移

 2008年の修理台数が多いですが、これはこの年に総合体育館で催された「環境フェア」に拠るところが大です。
 2006〜2011年 の修理台数合計が 1872台となっており、2012年は3月現在で130台に到達しているので、 累積合計2000台は達成されました。
 2008年は少し例外として、グラフからは年々取扱量が増加していることが良くわかります。会場が多くなったことが 一番の理由だと思いますが、この後どうなるのか少し楽しみなところです。

2.修理したおもちゃの種類

データは2009年までしかありませんが、乗り物と音の出るもの(楽器を含む)で 6割を越え、乗り物が圧倒的に多くなっています。中でもプラレールというプラスチック 製の電車に人気が集中しています。
 逆にいうと、プラレールはすぐ壊れるおもちゃだとも言えそうです。特に電源線が連結器の部分で 断線するケースが非常に多く、一種の構造欠陥ともいえそうです。

3.故障原因

 故障原因は一言で言えないケースが多く、単純に分類するのはなかなか難しいのですが、 苦し紛れに分類すると上図のようになります。これも 2009年までのデータしかありませんが、 電池関係の不良と断線などの単純故障で33%を占めています。
 これらの単純故障は、極端なことを言うと裏蓋を外せばたちどころに原因が判明するタイプのものです。 ご家庭のお父さん達も子どもさんといっしょになって、チョット故障したおもちゃの中をのぞいてみては どうかなと思う次第です。

4.修理結果の推移

 不明というのは故障原因は不明ではあるが、直った直らないだけは分るケースと、 カルテが記載されていないので治癒か不治かも分らないケースも含まれています。
 全般的な印象としては、 年毎に不治が減ってきているように見えます。
  これは修理技術の向上も理由の一つではないかと考えています。 最近では概ね9割以上のおもちゃが治癒しています。

5.修理不能の原因

 不治原因の中で圧倒的に多いのがIC不良です。原因不明と分類されている件数の多くも実はIC不良という可能性が高いのです。昨今のおもちゃではしゃべったり音がでるのは当たり前になっていますが、これを実現するに大変に高度な技術が使用されています。
 一種のコンピュータに相当するものと、それを動かすためのプログラムが小さいICの中に組み込まれています。そのICが不良になれば当然全機能が停止します。
 しかもこのICは交換修理することは一切考慮されていません。プリント基板全体を交換することになりますが、我々はメーカーからの部品取り寄せによる修理は行っていませんので、IC不良は不治あつかいとなります。
 不治の原因で次に多いのが分解不能です。特にプラスチックを接着で組み上げた物には悩まされます。自分達があとで復元できそうなものはプラスチックを切ったり穴をあけたりして解体しますが、それが出来ない場合や、外観が気になるおもちゃなどでは分解不能としてお返しすることになります。